以下の3式を導出する。
チェビシェフの不等式
P(X≥c)≤cE[X](X≥0,c>0)P(∣Y−E[Y]∣≥ϵ)≤ϵ2V[Y]
大数の法則
P(n1i=1∑nZi−E[Z]≥ϵ)≤nϵ2V[Z]
チェビシェフの不等式
集合 A⊂{a∣a∈R,a≥0} を標本空間とし、期待値が存在する確率変数 X と定数 c(c∈A,c>0) について考える。
A′={a∣a∈A,a≥c} とする。
E[X]∴P(X≥c)=x∈A∑xP(X=x)≥x∈A′∑xP(X=x)(∵A′⊂A)≥x∈A′∑cP(X=x)(∵∀x∈A′,x≥c)=cx∈A′∑P(X=x)=cP(X≥c)≤cE[X]
期待値が存在する確率変数 Y について考える。
X=(Y−E[Y])2 と c=ϵ2(ϵ>0) を上式に代入する。
P((Y−E[Y])2≥ϵ2)∴P(∣Y−E[Y]∣≥ϵ)≤ϵ2E[(Y−E[Y])2]≤ϵ2V[Y]
大数の法則
期待値が存在し、同じ確率分布に従う n 個の確率変数 Zi(i=1,2,…,n) について考える。
Zi(i=1,2,…,n) は同じ確率分布に従うので、 E[Z]=E[Z1]=E[Z2]=⋯=E[Zn] 、 V[Z]=V[Z1]=Z[Z2]=⋯=V[Zn] とする。
Y=n1∑i=1nZi を上式に代入する。
P(n1i=1∑nZi−E[n1i=1∑nZi]≥ϵ)∴P(n1i=1∑nZi−E[Z]≥ϵ)≤ϵ2V[n1∑i=1nZi]≤nϵ2V[Z]